新年のご挨拶このページを印刷する - 新年のご挨拶

2020年1月1日掲載

 院長  坂本 宏  
 新年あけましておめでとうございます。皆さまには健やかに新年をお迎えのこととこころよりお慶び申し上げます。
 ここ富山県南砺市では、八乙女山や医王山に訪れた白い冬がなかなか里まで降りてこないので、庭にそびえるヒマラヤ杉の大木も年の瀬に少しのんびりしているようです。北陸病院は昭和19年の開設以来、76回目の新年を迎えようとしています。
 さて、近年は次々と自然が猛威を振るい、その度に災害への人の関与を探して責任論が巷間を騒がしているのも相変わらずです。そして年の暮れにスペインのマドリードで国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開催され、パリ協定で定められた『世界の平均気温の上昇を産業革命前の2 度未満に抑える』を目標に全ての国が参加する温暖化対策が2020年から始まります。しかし、今年中に気候変動による被害を世界で一番被ったとされる日本は、脱炭素化が言われる中、石炭火力発電を今後も建設していくとしており、温暖化対策に消極的な国に与える『化石賞』を贈られました。一方で、中・米・露・印など日本より多くのCO2 排出国についての言及は少ないなど国家間の争いも関係している上に、現在言われている地球温暖化や将来予測などがその通りになるとは科学力をもってしても明らかではないようです。情報とされているものの氾濫に貧弱な知識では判断に戸惑うことも多々ありますが、漠然とこの国の行く末が案じられます。
 それは医療面でも同様で、社会全体の有り様に強く影響すると思われる地域医療構想に関して、地域の風土・歴史・文化や個々の病院の特性を何ら考慮することなく、必要病床の数を机の上で決められた計算式により導き出して機械的に決定し、厚労省はそれを地域に強く示すということが行われました。確かに当地域においても、超高齢化、人口減少、過疎化など大きな変動が高速で進むなか、社会構造や経済的背景の変化も組み入れながら、どのような医療の在り方が望ましいのかについては地域全体で考えていかなければならないと思います。富山県は世帯あたりの収入が多くかつ世帯主以外の収入が日本一という県であり、真面目な働き者が多い地域の皆さんにも安心していただけるよう、当院としては、認知症を含む精神障がい、強度行動障害を伴う重度知的障がい、そしてパーキンソン病や脊髄小脳変性症など身体障がい、そしてそれらを併せ持っている重複障がいの方々一人ひとりの思いを大切にしながら、質の高い医療を誠実に提供していくことを2020年に向けてあらためて誓うものです。
 最後に、皆さまにとりまして幸多い年になりますよう祈念しまして年頭のご挨拶といたします。どうぞ今年もあたたかいご支援とご助言をこころよりお願い申し上げます。

令和2年1月吉日
独立行政法人国立病院機構北陸病院長
坂本 宏